大和の大規模修繕コラム

大規模改修時にマンションの共有照明をLEDに

  • 2020/10/30
  • カテゴリ: 改修

大規模改修と同時にLED化を考える

大規模改修時にマンションの共有照明をLEDに

築年数がそれなりに経過したマンションであれば、共用部の照明に電球や蛍光灯を使用しているケースも多いでしょう。しかし、メーカー各社は蛍光灯からLEDへと主力を移しており、蛍光灯の管球価格も上昇傾向にあります。そういった状況の中で、マンションの大規模修繕工事の際によく挙がるのが共用照明のLED化について。LED照明は省エネで電気代が安くなるなどのメリットがありますが、LED化にはそれ相応の費用がかかるため実施に踏み出せないというケースも少なくありません。そこで、LED照明の特徴、メリット・デメリット、費用対効果など導入の際の注意点などについて解説します。

LED照明の特徴

まずはLED照明の特徴について知っておきましょう。大きな特徴として挙げられるのがその省エネ性能です。白熱電球と比べて消費電力が1/5~1/10程度にもなるといわれています。また、白熱電球に比べて寿命が長いのもポイント。白熱電球が2000時間程度なのに比べてLED電球は2~5万時間と非常に長寿命です。このほかにも、点灯した瞬間に100%の明るさを発揮できる点や、赤外線・紫外線を含まない、放射熱が少ないといった特徴があります。

LED照明に変えるメリットとデメリット

ではLED照明に変えるメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット

・寿命が長いため交換の手間やトータルコストを抑えることができる

・白熱電球と比べて消費電力を大幅に抑えられる。

・電球の発熱が少ないため、周辺の温度上昇を抑えられる

・赤外線や紫外線をほとんど含まないため虫が寄りにくい

デメリット

・蛍光灯などに比べて値段が高く初期導入のコストがかかる

・LED蛍光灯は光の広がりが狭いため、明るさにムラができることがある

・LEDは熱に弱いため、設置場所に向き不向きがある

・白熱灯や蛍光灯に比べて重量が重い

LED電球の費用対効果

「LEDは省エネで電気代が安くなる」とは聞くものの、実際の費用対効果が気になるという方も多いはず。ここでは白熱灯・電球型蛍光灯・LEDの3つを「寿命」「購入費用」「電気代」の面から比較します。

寿命

・白熱灯 約3~6ヵ月

・電球型蛍光灯 約3~4年

・LED電球 約11年

購入費用

※白熱電球1つ300円、電球型蛍光灯1つ1000円、LED電球1つ2000円として、それぞれ10年使用し続けた場合。

・白熱灯 20回~40回交換が必要なため6000~12000円月

・電球型蛍光灯 2回交換が必要なため3000円

・LED電球 買い替えが必要ないため2000円

電気代

※それぞれ1年間使用した場合。各消費電力は白熱電球54W、電球型蛍光灯11W、LED電球7.8Wとして計算。

・白熱灯 4257円

・電球型蛍光灯 867円

・LED電球 615円

白熱灯とLEDを比較すると、すべての項目において大きな効果が得られることが分かります。まだ白熱灯を使っているのであれば、LEDへ変更することで大きな節約効果を得られるといえるでしょう。一方で、電球型蛍光灯を使用している場合はトータルで見た購入費用や電気代の面では大きな違いはありませんが、寿命の面で交換の手間が省けるという点が大きなメリットです。

LED照明を導入する際の注意点

直管型LEDランプを導入する場合、従来の蛍光灯照明器具のまま使用してしまうと、組み合わせによって照明器具の破損や焼損などの事故につながる恐れがあります。大きな事故にならない場合も、寿命が短くなったり性能が落ちたりすることがあるため注意が必要です。従来の蛍光灯器具と互換性を持たせた直管型LEDランプを使用するか、LED照明器具への交換を行うようにしましょう。

また、長期間使用している蛍光灯照明器具は、安定器やソケット部分が劣化していることもあり事故につながるリスクが大きくなります。大規模修繕と同時にLED化を行うのであれば、照明器具の交換を同時に行うことも検討しておきましょう。

大規模修繕と同時にLED照明への切り替え検討を

大規模改修時にマンションの共有照明をLEDに

共有部分の照明をLED化することで、照明にかかるランニングコストを抑えることが可能です。ただし、現在使用している照明によって費用対効果が変わることや、導入するにあたってコストがかかる点は忘れてはいけません。積立金額と将来のランニングコストを吟味したうえで、マンション全体のLED照明への切り替えを検討していきましょう。

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