絶対に覚えておきたい、大規模修繕時の「近隣住民」への配慮
- 2020/4/22
- カテゴリ: トラブル
意外と忘れてしまいがちな近隣住民に対する配慮
大規模修繕は、そのマンションに住む人が「快適な毎日」を送るために必要不可欠なものです。そのため、工事期間中に騒音やホコリが発生しても、事前に説明しておけばある程度は許容できるものと考えられます。しかし、案外忘れがちなのがマンション近隣に住む人への配慮です。そこで、今回は、大規模修繕を行う際に欠かしてはならない近隣住民への配慮について説明します。
近隣住民には、マンションの住民以上に丁寧な対応が必要
マンションの規模や立地、どういった住民が住んでいるかによっても異なりますが、マンション住民にとっても大規模修繕は事前の告知や説明を入念に行わないと、トラブルに発展してしまうというリスクがあります。具体的トラブルとして挙げられるのは、騒音、塗料や錆止め剤などによる悪臭、異臭、作業員がバルコニーに立ち入ることで起こるプライバシーの侵害などです。
こうしたことを避けるには、常日頃から住民とのコミュニケーションを取ることや、何か問題があった際にはできるだけ早急に対応することなどが欠かせません。しかし、先ほど説明したように、マンションの住民にとって大規模修繕の目的は「自分たちの生活空間をより快適なものする」ことにあります。そのため、事前の説明を怠らなければ大きなトラブルは避けられるはずです。
しかし、問題となるのは大規模修繕を行うことに基本的には何のメリットもない近隣住民への対応。ある日突然近所で騒音や異臭がしたら、近隣住民からの心証が悪くなることは想像に難くありません。そのため、大規模修繕時は近隣住民に対し、マンションの住民以上に丁寧な対応をすることが求められるのです。
近隣住民とトラブルになる主なケースとは?
では、実際に大規模修繕時に近隣住民とトラブルになるのはどういったケースがあるのかを見ていきます。
基本的には、マンションの住民が感じる不満と同様の騒音、振動、ホコリが舞うことで洗濯物が干せなくなるといったことが中心ですが、それ以外にも次のようなケースが考えられます。
①警察署に申請を出して許可を得た工事車両がマンション付近に駐車する場合がありますが、その際に車両が通行の妨げになる
②防塵シートを使用するため、近隣の建物の日当たりが悪くなる
③作業員の話し声が大きい
①②は工事を行う以上避けられないものです。しかし、そうした事情は近隣住民にとっては何のメリットもないもの。事前の挨拶等でしっかり説明し、理解してもらえるように努めましょう。
しかし、③の作業員の話し声に関しては避けようと思えば避けられるトラブルです。作業中は周囲への配慮を徹底してもらえるよう、施工会社への注意喚起も忘れないように行いましょう。
近隣住民とのトラブルを起こさずスムーズな大規模修繕を
大規模修繕はマンションの規模にもよりますが、50戸未満であっても2~3ヶ月はかかります。その期間中、騒音やホコリ、工事車両の駐車などが続けば当然、トラブルに発展するリスクは高くなります。
このリスクを避けるには、マンションの住民だけではなく、近隣住民に対しても説明を欠かさないようにすることです。その際、最も重要なことは、必ず自分のほうから挨拶に出向くことです。そして、工事の説明をしたうえで、現場責任者の連絡先を伝え、近隣住民の不安を少しでも少なくすることが、トラブル回避のポイントとなるでしょう。
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