大規模修繕前はベランダ・バルコニーの片付けを!
- 2024/1/23
- カテゴリ: 基礎知識
マンションの大規模修繕には居住者の方にも協力いただく準備があります。
大規模修繕は、マンションでの暮らしや価値を維持するために大切な作業です。基本的に大規模修繕は作業員が行いますが、ベランダやバルコニーの片付けなど、居住者に協力をお願いしなければならない事項もあります。今回は、マンションの大規模修繕時に求められる準備について紹介します。
ベランダやバルコニーで行われる工事内容
マンションには「共用部」と「専用部」があります。共用部とはエントランスや廊下、屋上、外壁などを指し、専用部とは居住者の生活空間を指します。ベランダやバルコニーは、生活空間の一部として使われていますが、分類上は「専有使用が許可された共用部」であり、共用部の修繕を行う大規模修繕の対象です。
ベランダやバルコニーで行う工事としては以下のようなものが挙げられます。
下地・タイル補修
壁面などのヒビや欠けを補修します。
シーリング工事
サッシ周りなどにあるゴム状の止水材を打ち替えます。
高圧洗浄
バルコニーの天井・床・壁などを水で高圧洗浄します。
塗装工事
手すりなどの鉄部や天井・壁面などの塗り替えなどを行います。
防水工事
雨水などの浸水を防ぐため、バルコニー床などの防水層を補修します。
大規模修繕前に求められる準備
大規模修繕を実施するにあたって、居住者にも協力を依頼する必要があるのは以下のような事項です。
ベランダ・バルコニーの片付け
大規模修繕では、ベランダやバルコニー周辺でもさまざまな工事が行われ作業員も出入りします。ベランダやバルコニーに物が置いてある状態では、破損や汚損の恐れもあり、工事自体を進めることができません。そのため、「手すりに設置されたアンテナや配線」「バルコニー内に置いている鉢植えやテーブルなどの私物」など、工事に支障をきたすものは各部屋の中にしまってもらう必要があります。
片付けを依頼するタイミングや期間に関しては施工内容によって異なり、一般的には工事を担当する会社を介して告知を行います。
網戸の取り外し
ベランダの掃き出し窓、廊下側の窓などで網戸が屋外についている場合は、網戸の取り外しを居住者にお願いするケースがあります。格子がついているなどの理由で居住者が取り外しできない網戸については、施工会社が取り外しを行うなど、別途で案内があるためしっかりと確認しましょう。施工会社が取り外し・取り付けを行う場合、居住者にも立ち合いを依頼することもあります。
取り外した網戸は、基本的に施工業者から支給される保存袋に入れ工事完了まで各部屋で保管となるのが一般的です。マンションによっては、集会所などを保管場所として提供していることもあります。
作業中はベランダの使用が制限されます
高圧洗浄機や塗料の飛沫、粉塵の飛散などによる汚損の恐れがあるため、工事の内容や箇所によってはベランダやバルコニーの使用が制限されます。換気や洗濯などで居住者が不便を感じることもあるため、事前に説明して協力を求めましょう。使用ができない期間については施工業者に確認しましょう。
忘れてはいけない防犯対策
マンションの大規模修繕は足場を組んで行います。工事関係者以外は足場に立ち入らないように防犯対策を行いますが、万が一のトラブルを回避するためにも、居住者の方に窓の施錠などの防犯対策を促しましょう。施工会社や管理組合によっては補助錠の貸し出しを行うケースもあります。
大規模修繕時は居住者への説明を
このように、マンションの大規模修繕では、ベランダやバルコニーをはじめとして、生活空間にも干渉する作業が発生します。余計なトラブルを防ぐためにも、居住者への説明や依頼内容については事前に施工業者と打ち合わせをし、不明点を解消しておきましょう。
大規模修繕を専門に扱う株式会社大和のYouTubeチャンネルでも、施工に関する情報や作業の様子を公開しています。こちらも合わせてご覧ください。
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