建物の資産価値にも影響する!?「鉄部塗装工事」について解説
- 2024/1/10
- カテゴリ: 基礎知識
サビを防ぐ鉄部塗装
マンションの塗装というと外壁などが思い浮かぶかもしれませんが、忘れてはいけないのが手すりやドアなどの鉄部の塗装。鉄部の塗装が劣化すると、サビが発生し見た目や安全性が損なわれてしまうため、大規模修繕ではもちろん状況に応じて対処が求められます。そこで今回は、マンションの鉄部塗装工事について紹介します。
鉄部塗装工事とは?
マンションの塗装というと外壁パネルや屋上などを思い浮かべる方が多いはず。しかし、エレベーターや玄関のドア、メーターボックス、手すりなど、マンションには鉄が用いられる箇所も少なくありません。
鉄は酸素や水分に触れるとサビが発生するため、キレイな見た目や頑丈さを維持するために周りを塗装でコーティングしています。その塗装が時間の経過によって劣化すると、割れ・剥がれによって鉄が露出しサビの原因となります。
サビの発生によって、「マンション全体の審美性が悪化」「ドアの開け閉めが難しくなる」「鉄部がもろくなり事故につながる恐れがある」などマンションの価値を落とすことにつながるため、定期的な塗り替えなどのメンテナンスが必要です。
鉄部塗装の劣化について
鉄部の劣化を放置していると、サビによって見た目が悪くなるだけでなく、機能性の低下や破損・崩落の危険性などがあるため適切なタイミングで対応が必要です。鉄部の劣化は以下のような形で現れます。
ツヤがなくなる・色あせ
塗膜が劣化し始めるとツヤの減少や色あせが見られるようになります。すぐに対応が必要ということはありませんが、今後の修繕について考え始めておくと安心です。
チョーキング
チョーキングとは、塗装に含まれる樹脂が劣化し、顔料が表に出てしまう現象です。塗装部に触れると手に粉がつくため、劣化状態の判断は難しくありません。この状態でも内部の鉄に大きな影響はありませんが、放置していると徐々にサビが発生する原因となります。チョーキングが見られたら塗り替えなどのメンテナンスの実施を検討しましょう。
塗装の剥がれやひび割れ
チョーキングの状態を放置していると、塗装のひび割れや剥がれが見られるようになります。鉄部がむき出しになり、サビが発生するため早期の対応が必要です。サビが発生した場合、塗装前にサビを削る作業が必要になるため、工事費用が高くなる恐れがあります。
鉄部塗装工事の工程
鉄部塗装は主に以下のような工程で行われます。
ケレン
ケレンとは、塗料を塗る前に塗装面の異物を取り除く下地処理作業です。劣化した古い塗膜、汚れ、サビなどを落とし塗装面を整えます。また、ケレン作業を行うことで塗料をより強く付着させることも可能です。ケレン作業には4つの種類があり、劣化状態に合わせて使う道具や作業は異なります。
下塗り(サビ止め処理)
ケレン後はサビ止め効果のある下塗り材を刷毛やローラーで塗布します。
中塗り・上塗り
塗布したサビ止め材を保護するために、中塗り・上塗りと重ね塗りをします。業者によっては4回塗りなど塗装を重ねる場合もあります。
安全性にも関わる大事な塗装です
ドアや手すりなどの鉄部が劣化し、塗装の剥がれやサビが発生すると、マンションの美観が損なわれてしまいます。また、そのまま放置していると劣化が進み安全性にも影響を及ぼす恐れもあるため、早期に塗り替えなどの対応を検討しましょう。
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