大和の大規模修繕コラム

「クラック」とは?発生する原因や補修方法について解説

  • 2024/1/23
  • カテゴリ: 基礎知識

耐久性や見た目に影響を及ぼすクラック

画像:耐久性や見た目に影響を及ぼすクラック

大切な住まいであり資産でもあるマンションは、いつまでもキレイであってほしいものです。また、暮らしを守るためにも耐久性をしっかりと保つことも忘れてはいけません。そこで注意したいのが「クラック」について。クラックとは壁や屋上などに発生するひび割れや裂け目を指します。今回は、クラックの種類や発生する原因、補修方法などについて紹介します。

クラックの種類

クラックと一口にいっても、その大きさや発生原因によって以下のようにいくつかの種類に分けられます。

ヘアクラック

ヘアクラックとは、その名の通り髪の毛のような小さなクラックです。目安としては幅0.3mm、深さ4mm以下程度のものをヘアクラックと呼びます。すぐに建物に大きな影響を与えるものではありませんが、拡大する恐れがあるため注意しましょう。軽微なものであれば塗装による改善も可能です。

乾燥クラック

モルタルやコンクリートなどの外壁材で見られることが多いクラックです。モルタルやコンクリートは、塗り壁材と水を混ぜて施工し、乾燥させることで仕上がります。しかし、完全に乾燥する前に水分が蒸発してしまうと外壁材が収縮しクラックの原因となります。また、経年劣化による外壁材内の水分蒸発で発生することもあるため、発生自体を防ぐのは難しいといえるでしょう。

縁切りクラック

コンクリートやモルタルで壁などを作る際、日を分けて一面の施工を行ったり部分的にやり直しをしたりすると継ぎ目ができてしまいます。この継ぎ目に発生するのが縁切りクラックです。施工直後は目立ちにくいケースがほとんどですが、地震などの振動で現れることがあります。

開口クラック

窓や扉などの開口部周りに発生するクラックを指します。地震などによる建物の揺れやゆがみで外壁にズレが生じることで発生し、開口部の端から斜めに伸びるのが特徴です。開口部に近いため雨水などの侵入経路になりやすく、外壁内部への浸水や雨漏りにつながる恐れがあります。

構造クラック

建物の構造部にまで影響する恐れのあるクラックを構造クラックと呼びます。目安としては、幅が0.3~7mm程度のものを指し、建物の安全性にも関わるため注意が必要です。放置すると建物内部の腐食など大きなダメージにつながるため、早急に対処を行いましょう。

クラックが発生する原因

経年劣化

乾燥や温度変化、雨水、塩害、凍結、紫外線などによる経年劣化によってクラックが発生します。経年劣化によるクラックは避けることが難しいため、大規模修繕などのタイミングで補修を行いましょう。

自然災害

地震による揺れや地盤の変化によってクラックが発生することがあります。こうした自然災害によって発生したクラックは構造部まで達するような大きなものも多いため、できるだけ早く専門業者へ補修の相談をするのがオススメです。

鉄筋のサビ

アルカリ性のコンクリートが二酸化炭素と徐々に化学反応を起こし中性化すると、鉄筋をサビから守る保護膜が弱まってしまいます。鉄筋にサビが発生すると膨張し、内部からクラックを発生させることがあります。

クラックの主な補修方法

クラックの補修は、大きさや発生原因に合わせて以下のような方法で行われます。

刷り込み

ヘアクラックなどクラックが小さい場合は、補修材を表面に刷り込むことで補修を行います。

注入

刷り込みでは対処が難しいクラックでは、専用の機械を使用して樹脂やセメント系の補修材をクラック内部に注入し補修を行います。

Uカット・充填

1mm以上の大きなクラックなどの場合は、クラック部分を削って溝を作り、エポキシ樹脂やモルタルなどを充填し補修します。

小さなクラックも放置は禁物

画像:小さなクラックも放置は禁物

経年劣化によるクラックの発生は避けることが難しいものです。しかし、小さいクラックだからと放置していると、徐々に拡大し大きな破損になるだけでなく、雨水が侵入し雨漏りや躯体を損傷させる原因にもなります。そのため、クラックの状態に合わせて適切に対処することが大切です。

大規模修繕を専門に扱う株式会社大和のYouTubeチャンネルでも、施工に関する情報や作業の様子を公開しています。こちらも合わせてご覧ください。

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