大和の大規模修繕コラム

鉄部塗装でサビをやっつけろ!

  • 2016/7/31
  • カテゴリ: 改修

鉄部塗装でサビをやっつけろ!廊下や階段の手すり、玄関扉や消火栓扉、駐輪場の柱や屋根など、マンションには至るところに鉄が使われています。

しかし鉄は雨などにさらされることでサビつき、サビ汁により鉄自体の寿命を縮めてしまう恐れもあります。それはやがて、見た目の美しさを損なうだけでなく、マンションの資産価値そのものを下げてしまうことにもつながるのです。そうなる前に、大規模修繕でサビを食い止める処置を行うことが大切です。

そこで今回は、大切なマンションを守る「鉄部塗装」についてお知らせします。

知っていますか? サビのメカニズム

サビの正体は“腐食”

鉄は「鉄鉱石」という原材料から酸素を取り除いて作られます。このようにして作られた鉄には、再び酸素を取り入れて元の状態に戻ろうとする特性があります。この元の状態に戻ろうとする現象がサビなのです。

サビを放置すると、水分を蓄積して加速度的に腐食が進行してしまいます。鉄をサビから守るには、表面を「酸素」「水分」からシャットアウトすることがポイントです。

鉄部塗装でサビをシャットアウトする

ではどうやってシャットアウトするか? その答えが「鉄部塗装」です。塗装によって表面を酸素、水分からシャットアウトし鉄の酸化を防ぎます。

鉄部塗装の詳しい工程は下記の通りです。

鉄部塗装の工程
ケレン 「ケレン」とは、塗装をする前に鉄部などの汚れやサビを落としたり、剥がれかかっている旧塗膜を落とす作業のこと。鉄部塗装のベースとなるとても重要な鉄部塗装の工程です。
サビ止め処理

ケレン作業が完了したら、鉄部塗装の下塗り工程に移ります。サビ止め塗料にはたくさんの種類があり、量販店などで購入できる「一般サビ止め塗料」、建築現場で使用される「シアナミド鉛サビ止め塗料」などが代表的です。

それ以外にも、サビの抑制効果や耐久性が高い「エポキシ樹脂サビ止め塗料」があります。

中塗り・上塗り

サビ止め塗料には、以下のような2つの特長があります。
(1)下地に対する密着力やサビの抑制効果が優れている
(2)紫外線に対し非常に弱い

そこで、サビ止め塗料を保護するために上塗りを施します。上塗りは2回に分けて塗ることで、その効果を十分に発揮することができます。上塗りの1回目を「中塗り」といいます。

鉄部塗装は「ケレン」ですべてが決まる!?

 

鉄部塗装ではケレンがとても重要となります。十分にケレンをせずにサビ止め塗料や鉄部用塗料を塗布しても、耐久性は期待できません。ケレンが不十分だとキレイに仕上がらないだけではなく、最悪の場合、数ヵ月もたたないうちにサビが再び発生したり、塗料が剥げてきたりします。

ケレンには1~4種ケレンまでのレベルがあります。そのレベルは、サビや汚れの落とし具合で分類されます。

●1種ケレン
「サンブラスト」「ショットブラスト」などの機械でサビや汚れを徹底的に除去します。腐食が激しい場合に使用されますが、実際の現場で行われることはほぼありません。

●2種ケレン
ディスクサンダーや電動ブラシなどの電動工具を使ってサビを除去していきます。サビや汚れはもちろんですが、既存塗膜も全面除去します。

●3種ケレン
スクレパー、ヤスリなどの手工具でサビている塗膜のみを除去し、サビていない既存塗膜は残します。

●4種ケレン
マジックロン、ほうきなどで表面を清掃します。

鉄部塗装でいつまでも住みよいマンションを

鉄部塗装でいつまでも住みよいマンションを鉄部の塗装を行う周期は5年が目安といわれます。沿岸部などの潮風の影響を受けやすい地域に立地している場合は、さらにこまめなメンテナンスが必要です。

「細かい場所まで手が回らない」「また次の機会にメンテナンスすればいい」などと考えずに、大規模修繕のタイミングを活用して鉄部塗装を行いましょう。

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