大和の大規模修繕コラム

マンションやビルの屋上部分の工法~シート防水~

  • 2018/1/31
  • カテゴリ: 屋上

2つの種類があるシート防水

2つの種類があるシート防水マンションやビルの防水工事というとウレタン防水が一般的です。しかしシート防水にはウレタン防水よりも優れている面もあり、ケースによってはシート防水の方がおすすめな場合もあります。このシート防水は大きく分けて2種類、塩ビシートによるものとゴムシートによるものに分けられます。そこで今回は、シート防水のメリット、デメリットやウレタン防水との比較についてご紹介します。

シート防水の工法とは?

シート防水は、塩ビ(塩化ビニル樹脂)シートとゴムシートのどちらかを使用して行います。この2種類の主な違いは材質の他、厚さにあります。一般的な塩ビシートが1.5~2.5mmなのに対し、ゴムシートは1.2~2mm程度と多少薄めになっています。ただし薄いからといって寿命にはそれほど大きな違いはありません。現在、基本的にシート防水といえば塩ビシートであることがほとんどで、ゴムシートはあまり使われていません。

シート防水の工法は、下地の種類や用途によって変わってきますが、基本的には接着工法と機械的固定工法の2つに分類されます。それぞれの工法は次の通りです。

接着工法

マンションやビルの下地もしくはシートの裏面に接着剤を塗り貼り付ける工法です。次に紹介する機械的固定方法に比べ強度があるため、屋上に人の出入りがあるような場合におすすめの工法です。ただし防水層は非歩行用です。

機械的固定工法

マンションやビルの下地に直接ではなく、緩衝材を介したうえで鋼板やビスで防水層を機械的に固定する工法です。緩衝材を介すことから、既存の防水層撤去といった下地処理コストを削減することができます。ただし防水層に限らず、非歩行が基本となりますので、人の出入りがある屋上には不向きの工法です。

シート防水のメリットとデメリット

続いてシート防水のメリットとデメリットについてご紹介します。

シート防水のメリット

シート防水の最大のメリットは耐久性とメンテナンスがほとんど必要ないことです。前述したように工法や用途によりますが、既存の防水層がどのようなものであってもその上に被せることが可能なためコストも抑えることが可能です。また耐久性があることから、屋上緑化などにも対応します。

シート防水のデメリット

現在、屋上防水の主流であるウレタン防水に比べ、メンテナンスコストがかからないシート防水ですが、工事の難易度が高いというデメリットがあります。そのため、シート防水をしたくても、施工業者を探すのが困難な場合があります。また素材がシートのため、屋上の形状が複雑であったり、凹凸の多いところであったりすると施工ができません。またシート自体の耐久性は高いものの、接着剤の寿命が短いとシートの剥離といった問題が起きてしまうことがあります。さらに燃えた際にダイオキシンが発生する場合があるのもデメリットといえます。

メリットは多いものの施工業者選びにはご注意を

メリットは多いものの施工業者選びにはご注意をウレタン防水に比べ技術者が少ないため、なかなか良い施工業者を見つけることが難しいというデメリットがあるものの、メンテナンスコストがほとんどかからないという大きなメリットを持つシート工法。もしシート工法を採用したいといった場合は、信頼できる施工業者をしっかりと選択することをおすすめします。

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