大和の大規模修繕コラム

マンションやビルの屋上部分の工法~ウレタン防水~

  • 2017/12/25
  • カテゴリ: 屋上

マンションやビルの屋上部分の工法~ウレタン防水~マンションの改修工事において配慮しなければならない点のひとつに、環境問題があります。アスベストやシックハウス対策はもちろん、近隣への騒音、臭気などさまざまな面に配慮した施工が求められています。そうしたことから、近年のマンションやビルの屋上部分の防水工事の工法として、ウレタン防水が注目を浴びています。今回はこのウレタン防水について詳しくご説明します。

大規模修繕工事においても重視される環境問題

マンションやビルの大規模修繕工事を行うことは、大量の資材が必要になると同時に廃棄される資材も大量に発生します。環境問題に配慮するためには、できるだけ現状の設備や資材を活かし廃棄される資材を減らす必要があります。また、劣化した部分の補修に化学物質や薬品が使われれば、マンションやビルの住民はもちろん、近隣の住民にも影響を及ぼしてしまうかもしれません。

できる限り環境に配慮するには、劣化が本格的に進む前のケアが重要になります。保証期間だけを判断基準にするのではなく、定期的な検査を行い適切なケアをすることで、耐用年数を延ばす効果が出て、通常よりも修繕工事の回数を減らすことも可能です。結果として、資材の利用、廃棄を抑えることにつながります。

また大規模修繕工事の工法もできるだけ環境に配慮し、化学物質や薬品を多用する工法を避けることで、環境に配慮することが可能になります。今回ご説明するウレタン防水も、屋上防水工事において非常に環境に配慮した工法です。

ウレタン防水の種類と特徴

ウレタン防水とは、マンションやビルの屋上部分の防水工法のひとつで、ポリウレタンの材料となるポリイソシアネートを主成分とする主剤と、ポリオールを主成分とする硬化剤をかく拌したものを塗膜します。

下地に塗るだけで防水層を形成する工法のため軽量であることや、施工場所の形状が複雑であっても簡単に施工できるため、数ある防水工法の中でももっともよく利用されている工法です。また防水面に継ぎ目がないシームレスな防水層を形成できることから、屋上だけに限らずベランダ、廊下などあらゆる箇所の防水工事で利用されています。

耐用年数は10~13年程度。アスファルト防水などに比べ経年劣化や亀裂に弱い面がありますが、定期的にトップコートを塗り替えることで、ある程度の劣化を防ぐことは可能です。

環境に配慮するうえでウレタン防水のメリット

環境に配慮するうえでウレタン防水のメリットウレタン防水が環境面においてもおすすめの理由として、ウレタン防水材が有機溶剤や有害とされている化学物質を含んでいない点が挙げられます。これにより住民をシックハウスから守るだけではなく、周囲に臭気を広げることもありません。さらにウレタンの浮かし張り工法が開発されたことで、既存の断水層を極力、撤去、廃棄しないで防水工事をすることが可能になったことも、ウレタン防水が環境面においておすすめできる理由のひとつです。

マンションやビルの大規模修繕工事で屋上の防水工事を行う際には、環境面に配慮したウレタン防水工法を検討されてみてはいかがでしょうか?

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