大和の大規模修繕コラム

大規模修繕でエレベーターの修繕を行う際のポイントとは?

  • 2020/6/8
  • カテゴリ: 基礎知識

住民の足となるエレベーター修繕の重要性

大規模修繕でエレベーターの修繕を行う際のポイントとは?

マンションが高層になればなるほど重要となるのがエレベーターの存在。もしエレベーターが故障などで動かなくなってしまうと、階段で上り下りをしなくてはいけません。そうなれば、高齢者や小さなお子さんにとって不便なだけではなく、落下によるけがの危険性も増加します。そこで今回は、エレベーターの種類や大規模修繕時に行うエレベーターの修繕方法についてお伝えします。

一般的なエレベーターの種類

一般的なマンションで利用されているエレベーターには大きく分けて2つの種類があります。一つは「ロープ式」。もう一つは「油圧式」で、それぞれの特徴は次のとおりです。

ロープ式エレベーターの特徴

高層から低層まで多くのマンションで利用されているもので、ロープの一方を人が乗るカゴに、もう一方を釣合おもりに取り付け、巻上機を使って駆動させるタイプのエレベーターです。

少し前のタイプでは屋上に機械室があり、そこへ巻上機や制御盤を設置していました。しかし、最近ではそれらの機器がコンパクトになり機械室が不要になっています。そのため、巻上機をエレベーターシャフトの上部や下部などマンションの形状によって設置して駆動させることが可能です。

油圧式エレベーターの特徴

油圧式エレベーターは、電動ポンプで油圧ジャッキを働かせエレベーターを上下させる駆動方式のエレベーターです。「直接式」「間接式」「パンタグラフ式」の3つに分類されます。

直接式

油圧シリンダー内の上下する部分(プランジャー)にエレベーターのカゴを直結することで昇降を行います。

間接式

プランジャーの動きをローブや鎖などを経由しエレベーターのカゴに伝えて昇降を行います。

パンタグラフ式

アームと油圧ジャッキによって、アームの上に設置したカゴの昇降を行います。

油圧式は電動ポンプを使うことでロープ式に比べ積載力が高くなっています。そのため、大きな荷物の搬送に適しており、一般的なマンションではあまり使われていません。

エレベーターの主な修繕方法は3つ

エレベーターの修繕方法は「全撤去新設リニューアル」「準撤去リニューアル」「制御部品リニューアル」の3つに分類され、エレベーターの劣化状況によってどの方法を選ぶかが決められます。

全体的に劣化が激しい場合は全撤去リニューアル。使える部分はそのまま残し、ロープや巻上機など部分的に新しいものに交換して対応可能な場合は準撤去リニューアル。制御盤の部品を交換するだけで済む場合は制御部品リニューアルを選択するのが一般的です。

エレベーターの修繕はコストよりも内容を重視することが大切

大規模修繕でエレベーターの修繕を行う際のポイントとは?

冒頭でも触れたように、エレベーターは、マンションに住む人の足となるものです。そのため、常に安全、快適に駆動する状態を保つことが求められます。

これは大規模修繕全般にもいえることですが、コストを抑えることを重視し過ぎると安全性や快適性を損なってしまうリスクがあり、ひいてはマンションの価値を下げてしまうことにもつながります。また、エレベーターは劣化した状態のままに放置してしまうと大きな事故を引き起こす恐れもあるため、コストではなく修繕内容を重視して計画を立てることが大切です。

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