大規模修繕の配管修繕はなぜ必要?
- 2020/7/13
- カテゴリ: その他
大規模修繕では普段見えない配管の修繕も重要
ひと口に大規模修繕と言っても、外壁、屋上、ロビーやベランダなどの共有スペースなど、対象箇所は多岐にわたります。いずれも重要な箇所であることには違いありませんが、普段あまり見ることのない配管の修繕にまで気が回らない方もいるかもしれません。外観やロビー、ベランダなどの箇所に比べ、配管を修繕することの必要性や重要性を理解していない方も少なくないでしょう。そこで今回は、大規模修繕における配管修繕の重要性、そして、修繕対象となる配管の種類についてお伝えします。
大規模修繕で配管修繕が欠かせない理由
大規模修繕において配管修繕が欠かせない理由として、ビル全体に大きな被害をもたらす危険性があることが挙げられます。例えば、水道管が劣化した状態のままで放置すると、ビルの至るところで水漏れが起きるリスクが高まります。また、ガス管が劣化して起こるガス漏れによって、場合によってはガス爆発を引き起こす恐れがあることも無視できません。
普段は当たり前のように利用している水道やガス。しかし、配管が劣化することでそうしたライフラインが使えなくなってしまうばかりか、ビル自体の寿命も大きく縮めてしまうことにもつながりかねません。そうした事態を防ぐためにも、大規模修繕を行う際には配管修繕もセットで対応することが不可欠です。
修繕対象となる配管の種類とは?
大規模修繕時に修繕の対象となる配管は大きく「給水管」「排水管」「ガス管」の3つに分類されます。それぞれの特徴は以下の通りです。
給水(給湯)管
飲料や炊事、洗濯などで必要な生活用水をビルの至るところに行きわたるようにする配管です。以前は炭素鋼を材質とした鉄管が多く使われていましたが、最近ではポリエチレン管や塩化ビニール管が主流となっています。基本的に日常生活のなかで利用する分には水垢や錆といった心配はありませんが、ひと昔前の鉄管であれば15年程度、最近のものでも30年を目安に点検、修繕をする必要があります。
排水管
風呂、炊事、トイレなどで使用した水を下水道へ流すための配管です。材質は給水管と変わりありませんが、油や細かい生ゴミなどが流れることもあるため詰まりが発生しやすく、給水管よりも劣化が早い傾向にあります。そのため、給水管よりも早めに点検、修繕を行うことが大切です。
ガス管
風呂を沸かしたり、調理をしたりする際に欠かせないガスが通る配管です。ガス管の修繕で最も注意すべき点は、鋼管に亜鉛メッキを施した白ガス管と呼ばれる配管を使用しているケース。この白ガス管を土のなかに埋設すると、土の性質や水分によって亜鉛メッキが溶け出してしまうため、15~20年程度で腐食しガス漏れを起こすリスクがあります。現在は埋設部分に白ガス管の新規使用は禁止されていますが、「建物が古い」「配管修繕を長いこと行っていない」など白ガス管がまだ使われている恐れがある場合は、早急に点検・交換する必要があるでしょう。
水道メーターや屋外ガス管の点検と修繕も忘れずに
私たちの生活を支える水やガスを安全に利用するためには、定期的に配管の点検、修繕をする必要があります。また、給水管、排水管、ガス管のそれぞれで寿命が異なるため、大規模修繕を行う前にしっかりと計画を立てることが重要です。その際には、配管周りの水道メーターや屋外のガス管の点検、修繕も忘れないように気をつけましょう。