大和の大規模修繕コラム

トラブル知らずの管理組合になろう!(3)~マンション・管理組合の現状を知る!~

  • 2015/9/30
  • カテゴリ: トラブル

トラブル知らずの管理組合になろう!(3)~マンション・管理組合の現状を知る!~「トラブル知らずの管理組合になろう!(2)」では、「理事になったら管理規約に目を通しましょう!」というお話をさせていただきました。もちろん、理事として管理規約の内容を理解しておくことは必須ですが、これは最低限の準備でしかありません。

管理規約を頭に入れたうえで、次に理事が取り組むべきことは、「マンションの現状」と「管理組合の現状」を把握すること。今回は、この2点について詳しく解説していきましょう。

マンションの現状を知る!

ハード面

建物・設備・敷地など、マンション全体の「ハード面」の現状を把握する必要があります。「住んでいるんだから、そんなの分かってる!」という声も聞こえてきそうですが、住んでいても足を踏み入れたことのない場所は意外とたくさんあるものです。実際に、自分の住戸の玄関ドアの内側しか知らないという方も多いことでしょう。普段は立ち入ることのない自転車置き場や非常階段、機械室などに、問題が潜んでいるかもしれませんので、一度、理事会のメンバーで建物・設備・敷地のすべてをチェックしてマンション全体の現状を把握することが大切です。

居住率

築年数が古いマンションほど、もとの居住者が引っ越して賃貸に出していたり、空き家になっていたりケースが増えてきます。管理組合の一員がそのマンションに住んでいないというのは、好ましい状況とは言えません。マンションの運営管理上で問題が生じるケースもありますし、管理組合の合意形成に支障をきたす可能性もあります。理事としては、現状の居住率を把握しておく必要があります。そのうえで、マンションに住んでいない所有者との情報共有の方法を検討したり、賃貸・空き家が増えているのであれば、今後の対策を講じたりする必要もあります。

年齢構成

経年とともにマンションが老朽化していくのは当然ですが、理事としては、居住者が年をとっていくことにも目を向けなければいけません。たとえば築20年のマンションの場合、新築時に30歳で入居した人も、今は50歳になっています。新築当初は若い世帯が中心だったマンションも、時が経てば年齢層が上がっていくのです。居住者が高齢化すると、世帯収入の減少によって管理費の滞納が生じるケースが出てきます。また、バリアフリー工事などを検討する必要も出てくるでしょう。居住者の年齢構成を把握しておくことは、将来のマンション管理の方向性を決めるうえで非常に重要なポイントになるのです。

管理組合の現状を知る!

資金状態

資金状態とは、「管理費・修繕積立金がいくらあるのか」というお金の話。これが、もっとも重要かもしれませんね。管理費や修繕積立金の徴収状況は、正確に把握しておくべきポイントです。言うまでもないことですが、管理組合の運営資金は管理費・修繕積立金でまかなわれているわけですから、理事会としては滞納を許すわけにはいきません。「修繕工事が必要だけど、資金不足で行えない・・・」といった最悪の事態を避けられるよう、まずは資金状態を把握して、不足・滞納があるのなら早急に対策を講じる必要があります。

管理会社への委託内容

多くのマンションでは、理事会の負担を軽減するために管理会社に業務を委託しています。しかしながら、管理会社に「丸投げ」しているだけで、理事会としてのチェック機能を果たしていないマンションも少なくありません。優良な管理会社であれば問題はありませんが、費用に見合ったメリットがない管理会社を使い続けていると、必ずと言っていいほどトラブルに火種になります。理事になったら、「どんな業務をどんな条件で管理会社に委託しているのか」を把握して、管理会社の費用対効果を検証し、継続的に見直していくことが大切です。

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