マンション修繕と足場の関係について
- 2016/11/30
- カテゴリ: 安全
マンションの大規模修繕工事の期間中は、建物に足場を組んで作業をします。外壁塗装などの作業がしやすくなる反面、住人にとっては日当たりや風通しが悪くなるので不満が溜まりがちです。
今回のコラムでは、知っていそうで知らない「足場」をピックアップ。最近では足場を組まないで大規模修繕工事を進める工法もあるなど、最近の足場事情についてお知らせします。
足場を設置することのメリット・デメリット
マンションに限らず住宅を建設する時に、外壁塗装や修繕作業を行いやすくするために設置される足場。足場を軽快に歩く作業員の姿は、街を歩いていればよく目にする光景です。普段は何気なく見かけるこの足場ですが、自分のマンションの修繕を行ううえでは、知っておかなければならないことです。
足場を設置するメリット
足場を設置する最大のメリットは作業の効率化です。修繕工事では、上下の移動が何度も発生します。そのため足場があれば、建物の上下の往来が簡単になるうえ、作業員の安全性を確保することにもつながります。
それ以外にも外壁を塗装する場面では、塗料の飛散防止の目的で足場に飛散防止ネットを取り付けることもできます。塗料が飛散する心配が少なくなるメリットがあります。
足場を設置するデメリット
では反対に、足場を設置するデメリットにはどんなことがあるでしょうか。まず単純に足場を設置するための期間と費用がかかります。そして足場の設置、解体に伴う騒音などにより周囲からクレームが発生する恐れもあります。
また足場を利用して不審者がマンションの中に侵入してくる可能性や、日中にシートで覆われていることによって日当たりや風通しが悪くなり、住民の不満が溜まることにつながりかねません。
足場を設置しない「無足場工法」
最近では足場を設置しないで修繕を行う「無足場工法」を採用するマンションもあります。この工法は費用がかからず、防犯面や日照、風通しの面で住民の理解を得やすくなるという利点があります。
しかしケースによっては、足場がある時に比べ作業日数がかかること、そして施工者の技術レベルによっては人件費がかかり、足場を設置した方が安上がりだったということもあるそうです。
メリット・デメリットを把握して適切な判断を
マンションの大規模修繕というと修繕にかかる費用ばかりを考えてしまい、足場工事のように修繕を行うための準備費用はつい忘れてしまいがちです。しかしケースによっては、足場の設置だけで修繕費用の1/3も使ってしまうケースもあります。
一口に足場工事といってもさまざまな工法があり、できるだけ費用をかけなくても済むものや狭い場所でも設置できるものなど、状況に応じた工法で対応することができます。マンションの大規模修繕を考えている管理組合の方は、足場工事にかかる費用までしっかりと考慮した修繕計画を立てるようにしましょう。
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