東日本大震災の教訓をマンション管理に生かす
- 2016/4/6
- カテゴリ: 安全
2016年3月11日で、東日本大震災の発生から丸5年が過ぎました。とくに被害の大きかった東北地方の太平洋沿岸部では、多くの住宅が津波に飲み込まれ崩壊。今なお大勢の被災者が、仮設住宅での不自由な生活を余儀なくされています。
復興もまだ道半ばですが、この未曾有の大震災は私たちに多くの教訓を残しました。マンション管理にもこの教訓を生かしていくことが、私たちに課せられた役割なのかもしれません。
そこで今回は、震災の教訓をマンション管理にどう生かすかを考えていきます。
今なお深い爪痕が残る被災地
被害状況
2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0の巨大地震が東北地方を中心に襲いました。震災による死者・行方不明者数は、1万8,455人(2016年3月11日時点・警察庁発表)。
その後に続く東京電力福島第一原子力発電所の事故など、その甚大な被害に日本中が深い悲しみに包まれました。
建物にも深刻な被害が
東日本大震災は建物にも大きな被害をもたらしました。地震による揺れと、その後の巨大津波によって多くの家々が崩壊。建物の全壊・半壊は合わせて40万326戸にも及びました。巨大津波が家々を飲み込んでいく凄まじい光景は、私たちに大きなショックを与えました。
大地震への備えとして管理組合にできること
マンションにはどんな被害が起きる?
ひとたび大きな地震が起こると、マンションにはどんな被害が発生するのでしょうか? 建物の損壊や倒壊、ガス・上下水道・電気・通信網などのライフラインの損傷により、居住者の生活を困難にするさまざまな問題に直面することになります。
またエレベーターや機械式立体駐車場の稼働停止も、生活に大きな不便をもたらします。
管理組合が準備しておくべき対策
それではこれらの事態に備え、管理組合としてどのような対策をしておけばいいのでしょうか? 地震によって想定される被害のすべてに備えることは不可能ですが、管理組合としては防災グッズの準備など個人でできる備えと、避難訓練などのマンションのコミュニティで協力し合ってできる備えを整理して、居住者に周知しておくことが必要でしょう。
震災時に管理組合の果たすべき役割は、とても大きなものがあります。居住者の生命と財産を守るために、管理組合として震災に備えておくことが必要です。
震災対応マニュアルをつくりましょう
いざという時の心強い存在になる
震災対応マニュアルは、震災が起こったときの管理組合としての行動指針や、居住者の避難手順、避難生活における行動基準を定めたものです。震災時にどのように行動すべきかを示す、大切な役割を果たしてくれます。
どんな内容を盛り込めばいい?
あまり多くの内容を盛り込む必要はありません。備えておくべき食料や衣類、広域避難場所の地図や道順、家族間の連絡の取り合い方などを分かりやすく記載しましょう。
下記の内容を参考に、管理組合の皆さんでマンションの震災対応について話し合ってみることをオススメします。
- 飲料水(1日1人3リットルが目安)
- 非常食(保存期間が長く、火を通さないで食べられる食品)
- 医薬品、簡易トイレ
- 衣類(重ね着のできる衣類・防寒具・毛布・下着類・靴下・軍手・雨具・カイロ)
- 懐中電灯、携帯ラジオ、電池(携帯ラジオは充電式が便利。携帯電話を充電できるものもある)
- 貴重品(管理方法を決めておくと持ち出しに便利)
- 日用品(ガムテープ、ビニール袋、また笛も備えておくとよい)
- 地域の避難場所の確認(ハザードマップの確認)
- 家族間の連絡先と連絡方法の確認(災害用伝言ダイヤルの活用やSNSなど)
まとめ “ご近所力”があなたを守ってくれる
いざという時に頼りになるのは、やはりご近所の存在です。普段からマンション内のお付き合いで、助け合える関係性をつくることが、震災時には大きな効果を発揮してくれるでしょう。
常日頃からのコミュニケーションや、関係づくりがあってこその震災対策と言えるのだと思います。
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