大和の大規模修繕コラム

大規模修繕でテレビ受電設備の交換を!4Kや8Kへの対応も可能?

  • 2021/2/15
  • カテゴリ: 改修

マンションで4Kや8K放送を観るためには設備の交換が必要な場合も

大規模修繕でテレビ受電設備の交換を!4Kや8Kへの対応も可能?

2018年に始まった、テレビをより高画質で楽しめる4K放送や8K放送。東京オリンピックの開催が決定した際に、4Kや8K対応のテレビを購入したという方も少なくないのではないでしょうか。しかし、4K・8K対応のテレビを買ったからといって、そのまま試聴ができるとは限りません。

実は4Kや8K放送を受信するためには、放送に対応したパラボラアンテナ、ブースター、分配器、同軸ケーブルなどの共聴設備を取り替えなければいけないケースもあります。これらの交換を行う場合は大掛かりな工事が必要となるため、大規模修繕と合わせて行うことを検討しましょう。今回は、大規模修繕を控えている管理組合の方に向けて、4Kや8K放送の仕組みやマンションで放送を受信するために必要な設備について解説します。

4Kや8K放送とは

4K・8K放送は今までよりも高画質かつ高音質な放送

4Kや8K放送とは、今までの2K放送(フルハイビジョン放送)よりも高画質かつ高音質な放送です。Kは1000を意味しており、2Kは約2000画素、4Kは約4000画素、8Kは約8000画素とそれぞれ横方向の画素数を表しています。画素数が増加することで、よりきめ細かい美麗な映像表現ができるというのが4Kや8Kの基本的な仕組みです。また、音声も5.1chサラウンドとなり、対応しているオーディオ機器を接続することで、臨場感のある音響を楽しむことができます。

4K・8K放送は衛星放送で受信する

2021年1月時点では、4K・8K放送は衛星放送でのみ受信することが可能です。地上デジタル放送は4K・8K化されておらず、技術面やコスト面の課題を解決するための研究が進められています。そのため、4K・8K放送を観るためには、テレビやチューナーだけでなく、パラボラアンテナなど衛星放送を受信できる設備が必要です。

ただし、現在衛星放送が受信できる設備があったとしても、全ての4K・8K放送が受信できるとは限りません。4Kや8K放送は従来までの衛星放送とは異なる周波数の電波で送信されるチャンネルもあるため、受信設備の改修が必要なケースがあります。

集合住宅のテレビ共聴設備の仕組み

マンションなどの集合住宅のテレビ共聴設備は、「アンテナ方式」と「ケーブルテレビ方式」の大きく2つの方式に分けられます。それぞれの仕組みについて確認しておきましょう。

アンテナ方式

アンテナ方式とは、マンションの屋上に放送を受信するためのアンテナを設置する方式です。アンテナで受信した電波を信号に変換し、「同軸ケーブル」を通して「増幅器(ブースター)」や「分配器」などを経由し映像データが各家庭に送られます。

ケーブルテレビ方式

ケーブルテレビ方式とは、ケーブルテレビ会社が電波の受信や信号への変換を行い、各地に送信する方式です。ケーブルテレビ会社から送られた信号は、最寄りの電柱に設置された分岐器(タップオフ)からケーブルで引き込まれます。その後はアンテナ方式と同じく、同軸ケーブルを通じて「増幅器(ブースター)」や「分配器」などを経由後に映像データが各家庭に送られます。

4Kや8K放送に対応するためには

4Kや8K放送に対応するためにはどのようなことが必要なのかについて見てみましょう。

アンテナで受信しているマンションのケース

アンテナ方式のマンションの場合、まずは「衛星放送用BS・110度CSアンテナ」が設置されている必要があります。衛星放送が受信できるマンションであれば、一部の4K放送を視聴することが可能です。ただし、状況に応じて増幅器の出力調整や交換が必要となるケースもあります。

また、全ての4K・8K放送を視聴するためには、多くの場合「アンテナ」や「同軸ケーブル」といった共同受信設備や、「増幅器」や「混合器」など専有部の機器の交換が必要です。アンテナやケーブルなどの設置・交換には大掛かりな工事が必要となるため、大規模修繕と合わせての実施を検討しましょう。

ケーブルテレビや光回線が導入されているマンションのケース

ケーブルテレビが導入されていたり光回線が引かれていたりするマンションでは、多くの場合4K・8K放送が視聴可能です。ただし、有料の個別契約が必要なこともあるため、それぞれの提供会社に受信方法などを確認してみましょう。

困った場合はまず専門家へ相談を

大規模修繕でテレビ受電設備の交換を!4Kや8Kへの対応も可能?

4K・8Kへの対応は入居者の合意形成をはじめとして複雑なことが多く、そもそも設計的に改修が難しいケースも少なくありません。しかし、4Kや8K放送へ対応することは、マンションの付加価値にもなる可能性があります。もし、4Kや8Kへの対応に関してお悩みの場合は、まずは専門家に一度相談することがおすすめです。大規模修繕を控えているのであれば、これを機に4K・8K放送への対応を検討してみてはいかがでしょうか。

関連記事

カテゴリ

おすすめ記事