マンションの大規模修繕時はグレードアップ(改良)工事も検討すべき?
- 2019/2/1
- カテゴリ: 改修
マンションの資産価値を上げるポイントは改修工事
マンションの大規模修繕の主な目的は原状回復です。一般的には10~12年周期で壊れた箇所や老朽化した箇所の修繕を行います。ただし新築してから1~2回目であれば大規模修繕だけで問題ありませんが、3~4回目以降となると修繕工事だけでは建物自体の陳腐化は避けられず、資産価値もなくなってしまいます。そこで今回は大規模修繕のタイミングで考えるべき改良工事についてご紹介します。
マンションの改良工事とは?
大規模改修を行うことで確かに壊れた箇所や老朽化した箇所を元通りにすることは可能です。しかし元通りにしたところでマンションの性能がその時点での新しいマンションの性能水準に見合ったものになるわけではありません。
マンションの改良工事とは、原状回復が目的である大規模修繕に対し、最新の設備を設置することで現在のマンション性能をグレードアップすることで資産価値を高めることを目的とした工事です。
改良工事を行わないことのリスク
マンションの改良工事をすることの目的は、マンションの資産価値を高めることにあり、資産価値が高まることによってさまざまなメリットが生まれます。そして逆に大規模修繕しか行わないことによって次のようなリスクが発生します。
退去者が出るリスクが高まる
生活環境、住みやすさは年齢を重ねるごとに変わってきます。例えば高齢者になるとバリアフリーやユニバーサルデザインといった安心して生活できる設備、デザインが必要です。しかし原状回復だけでは高齢者のかたにとっては住みづらい環境となり、退去されてしまうリスクが高まります。
空室リスクが高まる
大規模修繕を行っても設備や機能が古いままでは、資産価値が上がることはなく、退去者が出た後にすぐ入居者が見つかる可能性が低くなります。その結果、空室リスクが高まり、資産価値はさらに下がってしまいます。
改良工事を行うポイント
それでは具体的にマンションにおける改良工事のなかでも代表的なポイントをご紹介します。
バリアフリー化
前項でも触れたように高齢者になっても安心して生活ができるよう、マンションのバリアフリー化を行います。エントランスに階段があればスロープをつける、車いすでも入れるように大きめなエレベーターに変える、部屋のなかでもできるだけ段差はつくらないように改良します。
エントランス、共有スペース
宅配ロッカーやトランクルームの設置、ホテルのようなラウンジやエントランスへの変更など派手にする必要はありませんが、明るく落ち着いた雰囲気を演出することでマンション全体のイメージもグレードアップします。
防犯システムの設置
防犯カメラは、エントランスはもちろん、エレベーターホール、各階の廊下などにも設置します。またオートロックは共用玄関以外に各戸に設置し、来訪者との通話によってのみ開錠するようにするなど最新の防犯システムに改良します。
快適で安心な暮らしを実現する改良工事
改良工事はほかにも、耐震設計、高気密・高断熱化、中庭や屋上の緑化、ゴミ置き場の整備などがあります。普段はなかなか難しいこれらの改良工事も大規模修繕のタイミングで併せて行うことでコスト削減にもつながります。マンションの資産価値を高めることにもなる改良工事、ぜひ検討されてみてはいかがでしょう。
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