大和の大規模修繕コラム

マンションやビルの屋上部分の工法~FRP防水

  • 2018/2/28
  • カテゴリ: 屋上

ウレタン防水と並んで翌利用されるFRP防水

ウレタン防水と並んで翌利用されるFRP防水マンションやビルの屋上の防水を実施するうえで、いかに軽量化するかは重要な問題の一つです。屋上が重くなってしまえばそれだけ建物自体にかかる荷重が増えるため、その分劣化も早く進むことになります。環境に配慮したウレタン防水を利用されるマンションやビルも多いですが、それと同じぐらい利用されているのが軽量で丈夫な「FRP防水」です。そこで今回は、ウレタン防水との比較を交えながらFRP防水についてご紹介します。

そもそもFRP防水とはどういったものなのか?

ウレタンやアスファルト、シート防水といえば、何となくどういったものを使った防水方法なのかが想像つくと思います。しかしFRP防水といっても、一体どういったものを使った防水方法なのかが分かる方は多くないはずです。

FRPとは「Fiber Reinforced Plastics」の略で、日本語では「繊維強化プラスチックス」といいます。この繊維強化プラスチックスは、通常のプラスチックに比べ衝撃に強く、プラスチックならではの軽さを併せ持った素材です。また耐久性も高いことから、屋上やベランダの防水はもちろん、ユニットバスやレーシングカーのボディカウル、滑り台などの遊具、ゲームセンターにあるゲーム機の機体などさまざまな製品の素材としても利用されています。

FRP防水のメリットとデメリット

先述したように、FRP防水の最大のメリットは軽さと衝撃耐性です。FRPの重さは1㎡で3~5kgと非常に軽いにもかかわらず、プラスチックの中でも最強クラスの強度を持っています。そのためマンションやビル自体に負担をかけることなく、その強度を維持できます。そしてそれ以外のメリットには以下があります。

メリット1:耐腐食性

プラスチックは腐食しにくい素材のため、屋上など雨風に晒される場所であっても、簡単に腐食することなく長持ちします。

メリット2:耐久性

ウレタン防水はゴム素材のため温度の高低差による劣化が発生しやすくなります。しかし、FRP防水はガラス繊維のポリエステル樹脂を染み込ませることで、繊維と樹脂が一体となり防水膜をつくり出すため、摩擦にも強く強い紫外線や温度の高低差があっても劣化しにくい素材です。

メリット3:工期が短くて済む

FRPは塗膜の硬化速度が速いため、屋上の広さにもよりますが通常1~2日で工事は完了します。

メリット4:屋上を好みの色に仕上げられる

FRP防水のトップコートのカラーバリエーションは豊富で、グリーンやライトブルーなど自分の好みの色をオーダーすることが可能です。

次にFRP防水のデメリットについてご紹介します。

デメリット1:伸縮性に欠ける

FRPはガラス繊維のプラスチックのため、ウレタンに比べ硬さはありますが逆に伸縮性があまりないため、地震などの揺れにはあまり強くありません。

デメリット2:環境に優しくない

FRPは合成素材のため、リサイクルや廃棄処分が難しく、化学物質を含んでいないウレタン防水に比べ環境に優しくない点もデメリットの一つです。

何を重視するかで最適な選択を

何を重視するかで最適な選択をFRP防水は合成素材ということで、ウレタン防水に比べると環境には優しくありませんが、耐久性や強度を重視するのであれば最適な選択になります。最終的にはオーナー様が何を重視されるかによるかがポイントですが、後で後悔することのないよう十分に検討し、不安な場合はぜひ専門家にお問合せください。

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