大和の大規模修繕コラム

トラブル知らずの管理組合になろう!(6)~管理会社に“いい仕事”をしてもらうには?~

  • 2015/11/30
  • カテゴリ: トラブル

トラブル知らずの管理組合になろう!(6)~管理会社に“いい仕事”をしてもらうには?~「トラブル知らずの管理組合になろう!(5)~管理会社を活用して理事会の負担を減らす~」では、理事・理事会の負担を減らしながら、効果的なマンション管理を行うには、一部委託(部分委託)というスタイルが有力な選択肢になってくることをお伝えしました。ただし、管理業務を一部委託するだけで一件落着というわけではありません。今回は、管理会社に一部委託するにあたっての注意点について解説していきましょう。

マンション管理の主役は管理組合であり理事会です!

管理会社に委託することになった瞬間に、管理業務に見向きもしなくなる理事会がありますが、これはNGです。管理会社に委託したら理事会は「お役御免」ではなく、理事会には委託した業務が適正に行われているかどうかをチェックする責任があるのです。

全部委託でも一部委託でも同じですが、マンション管理の主体はあくまで管理組合であり、管理業務に対する権限・責任は理事会のあるのです。マンション管理においてトラブルが生じた場合、その責任を負うのは管理会社ではなく、あくまでも管理組合であり理事会。それを勘違いしてはいけません。

委託内容の理解&チェックは必須!

管理組合が自ら管理業務を行ったり、直接業者に発注したりすることに比べれば、管理会社を使ったほうが理事会・理事の負担は軽くなります。ただし、本当に満足できる質の高い管理業務を遂行してもらうためには、理事会がチェック機能を果たしていることが不可欠。決して安くない委託料を払う以上、それを無駄遣いにしてしまってはいけません。

理事会がチェック機能を果たすためには、第一に各理事がマンション管理業務の要点を把握していることが必要です。そうでなければ、管理会社の仕事の良し悪しを判断することなどできません。理事になったら、まずマンション管理についての最低限の知識を身に付けること。そのうえで管理会社との契約内容と実際の業務内容に差異がないかを確認し、疑問に感じることがあれば、納得できるまで追及することが重要です。

マンション管理の主導権を握るために

管理業務を管理会社に委託しても、マンション管理の“主導権”は管理組合・理事会が保ち続けなければいけません。その理由は以下のとおりです。

たとえば、理事会が委託した管理業務のチェックをしていないとしましょう。管理会社がそれに気付くと、なかには手を抜いてくる会社もあります。また、チェックしていたとしても管理会社に何の指摘もせず、何の要望も出さないでいたとしましょう。そうなると、管理会社に「この管理組合は何も言ってこない(言えるだけの知識がない)」と舐められてしまいます。このような印象を与えてしまうと、なかなか良い仕事は期待できません。理事会は管理会社の「お目付役」となり、しっかりと牽制を効かせることが大切なのです。管理会社とは、ある程度の緊張感を持ちつつも良好な関係を築くようにしたいものです。

まとめ

どんな会社でも自社の売上・利益を向上させることこそが最大のミッションであり、それはマンション管理会社でも同じです。そう考えると、管理会社と管理組合・理事会の利害は一致しません。だからといって、利害が相反するわけでもありません。優良な管理会社なら、「質の高い管理業務を提供して管理組合・理事会の信頼を獲得することが自社の利益につながる」という健全な戦略のもとに事業を営んでいるはずです。そういった管理会社を選ぶことは大前提になりますが、理事会としても管理会社に任せっぱなしにせず、適切な指示・要望を出していれば、管理会社はそれに応えてくれることでしょう。

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