トラブル知らずの管理組合になろう!(5)~管理会社を活用して理事会の負担を減らす~
- 2015/11/30
- カテゴリ: トラブル
管理組合の理事の方の大半は会社勤めをされていると思います。平日は仕事に追われ、休日もお子さんの行事や家族サービスなどで忙しい毎日を過ごしていることでしょう。サラリーマンであり、父親であり、それに加えて理事でもある――「忙しくて理事の仕事なんかしてる暇はないよ・・・」というのが正直なところだと思います。
この問題を解決する手段が一つだけあります。それは、誰かに手伝ってもらうこと。少し話がそれますが、あなたの会社にも「忙しくて手が回らない」と、毎日遅くまで残業している人がいませんか?実は、そういう人に限って一人で仕事を抱え込んでいる傾向にあります。一方で、スマートに仕事を回している人は、決して一人で抱え込まずに周りをうまく使っているものです。
マンション管理組合における理事の仕事にも同じことが言えます。理事の仕事をうまく回していく秘訣は、すべてを自分たちだけでやろうと思わないこと。面倒なことを全部自分でやろうとすると苦痛になってしまいますが、できることだけを自分でやって、できないことは外部に任せることによって大幅に負担を軽減できます。ということは、つまり「管理会社」の使い方が重要なポイントになってくるというわけです。
マンション管理の3つのスタイル
管理会社を一切使わず、管理組合だけでマンション管理を行う「自主管理」というスタイルもありますが、現状、大多数のマンションでは、本来管理組合が行う管理業務の全部または一部を管理会社に委託しています。全部を管理会社に委託する「全部委託」と、一部を管理会社に委託する「一部委託(部分委託)」の特徴を、自主管理との比較において解説していきましょう。
自主管理
管理会社を利用せず、管理組合が自ら、または管理組合が直接契約した専門業者に委託してマンション管理を行うスタイルです。
メリット | デメリット |
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メリット |
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デメリット |
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全面委託
管理組合はマンション管理についての意思決定のみ行い、管理業務の一切を管理会社に委託するスタイルです。
メリット | デメリット |
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メリット |
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デメリット |
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一部委託(部分委託)
管理組合はマンション管理について意思決定をするとともに一部の管理業務を自ら行い、残りの管理業務を管理会社に委託するスタイルです。
メリット | デメリット |
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メリット |
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デメリット |
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まとめ
上述のとおり、マンション管理は大きく3つのスタイルがありますが、自主管理はあまりおすすめできません。やはり、理事会の負担が大きくなるため、「忙しくて理事の仕事なんかしてる暇はない・・・」という悩みは解消されません。また、時間の問題だけでなく、不慣れな理事たちがすべての管理業務を完璧に行い続けるのも、現実的には無理があります。
理事会の負担を減らしながら質の高いマンション管理を行うためには、実務の部分はできるだけ管理会社に委託していくことを検討したほうがいいでしょう。とはいえ、全部委託にすると費用が高くなってくるため、一部委託(部分委託)のスタイルで最適な委託内容を見極めていくのが賢い方法だと思います。次回はもう一歩進んで、管理会社に一部管理(部分委託)する際の注意点についてご説明していきます。
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