大和の大規模修繕コラム

トラブル知らずの管理組合になろう!(4)~こうすれば理事会はうまくいく!~

  • 2015/10/30
  • カテゴリ: トラブル

トラブル知らずの管理組合になろう!(4)~こうすれば理事会はうまくいく!~マンションの管理組合における最高の意思決定機関は「総会」です。しかしながら、通常、定期総会は年に1回しか開催されません。そのため、マンション運営管理の実質的な権限は「理事会」に与えられ、理事会は総会の承認事項に則って日常のマンション運営を行っていきます。「マンション管理の成否は理事会の運営で決まる」――そう言っても過言ではないでしょう。

多くの場合、理事会はメンバーの名前と顔が一致しない状況からスタートします。一般企業と違って上下関係はありませんし、同じマンションに住む隣人同士だからこその気遣いもあります。輪番制で選ばれた場合など、無関心な理事もいると思います。そんななかで、実り多いマンション管理を実現するにはどうしたらいいのでしょう?

こうすれば理事会はうまくいく!~理事会運営の4つのポイント~

理事会は、昔からの慣例に従って進めることが多いですが、それでは何も改善されません。新メンバーが集まる最初の理事会で、運営方法を見直すことが大切です。理事会運営にあたって、ぜひ取り組んでいただきたい4つのポイントをお話ししましょう。

年間スケジュールを作成する

理事の任期、会計の区切り、管理会社との契約、年1回の定期総会といった事情から、理事会のスケジュールは1年単位で考えるのがベストです。最初の理事会では、年間スケジュールを作成するようにしましょう。そうすることで、各理事は年間を通して「自分はいつまでに何をすべきか」を把握できます。1年分のスケジュールは大まかに検討・決議事項だけを決めておき、直近の3ヶ月分くらいは詳細な議案を作成しておくのが現実的です。なお、理事会は、理事長が必要と認めたときに開催するのが一般的ですが、日常的に発生する問題に迅速に対応するためには、少なくとも月に1回は開催するのが理想です。

役割分担を決定する

理事会は、理事長のほか数名の理事で構成される組織であり、通常、各理事はマンションの運営管理に必要な「会計」「広報」「渉外」「修繕」「防災」などの業務を分担して担当します。役割を明確にしないと責任感が生まれにくく、理事会の進行も停滞しがちになるので、最初の理事会で各理事の役割分担を決定することが大切です。年間スケジュールと照らし合わせながら、細かい実務を割り振っていくのがいいでしょう。

事前に議事を周知する

理事会は具体的な議事があるほど進めやすくなるもので、逆に議事を整理しないまま理事会を開催してしまうと、意見がぶつかり、収拾がつかなくなるケースがあります。議事をスムーズに進めるためには、「この日は何を話し合い、何を決める」という検討事項・決定事項を具体的に定めたうえで、事前に共有しておくことが大切です。その際は、簡単なものでも構いませんので資料を準備するようにしましょう。理事会の前にあらかじめ資料に目を通してもらうことで、議事への理解が深まりますし、意見をまとめておいてもらうことで議事がスムーズに進みます。

進行ルールを決定する

最初の理事会では、会議における発言順や発言時間、質問のタイミングなどのルールを決めておきましょう。「大声で発言した人の意見が通る」ような会議だけは避けなければいけません。また、ダラダラと議論を重ねるだけの理事会にしないためには、毎回の時間を決めておくことも重要です。たとえば、毎回2時間として定型化することで、無駄なく密度の濃い話し合いができるようになります。

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