大和の大規模修繕コラム

大規模修繕完全マニュアル(1)そもそも大規模修繕とは?

  • 2014/5/12
  • カテゴリ: 基礎知識

管理組合の理事・理事長になってしまった!

管理組合の理事・理事長になってしまった!

近年、管理組合の理事・理事長のなり手不足は、多くのマンションで大きな問題となっています。理事・理事長の仕事は、ただでさえ大変なものですが、これが大規模修繕のタイミングと重なってしまうと、さらに負担は重くなります。選任された方は、「やりたくない・・・」「なんで、よりによって大規模修繕の時期に・・・」というのが本音だと思います。

余談ですが、マンション管理組合の理事・理事長を決める方法は、部屋番号の順番、抽選、くじ引き、あみだくじ、立候補、推薦など様々です。そのなかでも、「順番制」は多くのマンションで採用されているように感じます。これは、「誰もやりたがらない仕事だから」という前提に立った考え方で、「みんな一度はやるべき」という公平さを重視した選任方法だと言えるでしょう。

理事・理事長に選ばれたけど、前向きになれない方は多いことでしょう。しかし、今さら嘆いても仕方ありません。決まった以上、腹をくくって全力で取り組んでみてください。退任のときに「ありがとう」「お疲れさま」と言ってもらえるような仕事ができれば、「引き受けてよかった」と思えるはずです。

大規模修繕は理事・理事長の腕の見せどころ!

「やるからには真剣に」と、心構えをお伝えしたのには理由があります。特に、大規模修繕が控えている場合は、いい加減な気持ちで理事・理事長をやってはいけません。大規模修繕という一大イベントは、理事・理事長のモチベーション次第で、工事費だけでなく工事の結果にも大きな差が生まれてくるからです。

今回以降のコラムでは、数回にわたって「大規模修繕の基本」を解説していきます。ぜひ参考にしていただき、抜かりない準備を進めていってください。

大規模修繕って何?

マンションの修繕・メンテナンス工事は、日常的に行う小規模な工事と、定期的に計画を立てて行う工事に分けられます。大規模修繕は後者にあたり、具体的には鉄部や外壁の塗装工事、屋上の防水工事、給排水管の工事などが該当します。管理組合が長期修繕計画を作成し、修繕積立金を使って実施するもので、準備から完工まで長期間を要し、工事費用も高額になるのが特徴です。

大規模修繕を行うべき2つの理由

マイナスからゼロへ「回復」

マンションは経年とともに劣化していきます。鉄部が錆びたり、外壁が汚れたり、給排水管が漏水したりすると、居住者が快適に過ごせないだけでなく深刻なトラブルに発展することも・・・。結果として、マンションの資産価値が下がっていきます。

大規模修繕の第一の目的は、劣化したマンションの機能と美観を初期の状態に戻すこと。資産価値を回復させるための工事だと言えます。

ゼロからプラスに「改善」

ゼロからプラスに「改善」

時代の流れとともに、以前は住みやすかったマンションが住みにくくなってくることがあります。例えば、最近ではエコ志向が高まり、オール電化が注目されていますが、このようなニーズに応えて居住者の暮らしを向上させるには、オール電化に対応するための工事が必要になってきます。また、居住者の高齢化が進めば、マンションのバリアフリー工事も必要になってくるでしょう。

時代の変化や、それに伴う居住者のニーズに応えながら、マンションのグレードアップを図ることも大規模修繕の重要な目的だと言えます。

次回以降のコラムでは、大規模修繕をしないことのリスクや工事を行うべき時期、具体的な進め方などについて解説していきます。

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